白衣のお仕事
診察はじめました   ガラッ 『先生けが人なのだ』 「またお前らケンカか?けが人ってどっちともやん?」 『だってそれは冬夜がわるいのだ!』 『だってそれは猫が悪いんだもん!』 「……わかったからハモって言うなー!ほら、手当てするから座れ  まったく、この引っかき傷に、噛み跡  ……お前らいったいどういうケンカしてるんだ?」 『冬夜は口では我輩に負けるから、こうなってしまうのだ』 『そんなことないよ〜だ!猫なんかクラスで一番ちびじゃん』 「えええええい!!ケンカはもうやめい!ほらっ手当て終わり!  この後一度でも保健室に戻ってくるようなことがあったら……」 『あったら?』 『どうなるのだ?』 「……今聞くと後悔することになるわよ。(にっこり)」 『い…言わなくていいのだ!!』 『ね…ねこ!!教室もどろ!!じゃあね〜センセー』 『ありがとうございましたなのだ。』   ピシャン   ガラッ 『セ…センセー(;´Д`)ハァハァ』 「粗チンパ〜ンチ!!!!」 『ふぅひぐあぁぁぁぁぁぁ!!!』 「けっ10年早いわ!ああでも10年たっても粗チンは粗チンよね。  さあさっさと教室にお戻り!」   ガラッ 『先生…お腹が…』 「踏ん張ってこい」   ガラッ 『せんせーけが人です〜』 「ほらマキロン」   ガラッ 『センセー貧血で……』 「寝てろ」   ガラッ 『先生!!ピカが!ピカが!!!』 「それはここじゃなくて、被服の先生んとこ行け!」   ガラッ 『せんせー』 『センセ』 『せんせい』 『先生!』 「ああああもう!!何で今日はこんなにこっちに来る?  内科系は宇佐教授担当だろうが!!」 『で…でも教授の部屋、鍵がかかってて……』 「なに?ちょっと見てくるから勝手にやってて!」   ピシャン 「まったくなにやってるの…教授は」   ガチャガチャ 「(やっぱり居ないのかしら?ん……声がする)」 (きょ……教授ぅ…お願い…で…すっ…これ…外して……) (フォー、すぐ外したらおしおきにならないだろう?ワタナベ君…  それに…君のここはそれを望んでいないようだが?ほらこんなに…) (ああっ…もう…はぁ…もうダ…くっ…ああああ) (ふっふっふまだおしおきが足りないようだな……) 「……………戻ろう…………」   キーンコーンカーンコーン 「やった…ついに放課後だ…」     ガラッ 『先生、お兄ちゃんが具合悪そうなので休ませたいんですが……』 「コイツか…なるほど顔が赤いな、目も潤んでる、風邪か? どれ熱は……」 『はうぅぅ!(ビクン)はぁ…はぁ…』 「……まあとりあえずベッドに寝といて……  君、ちょっとこっちに来て……」 『……はい?』 「あいつ…隣の学校のお嬢ちゃんたちから何か、食べ物貰ってなかった?」 『ああ…当方が貰ったキャンディを……』 「やっぱり……それで君はなんともないの?」 『……ええ、二人とも食べちゃうと際限なさそうで。(ほにゃ)』 「(ほにゃって笑われても……)もしかして…確信犯か?」 『です(ほにゃにゃ)』 「………わかった……私はいったんこの場を離れるが、  授業が終わるまでに教室に戻れよ」 『はい、ありがとうございます』 「ベッド……汚すなよ…」   ピシャン 「……この学校って……」     ガラッ 「やつら居なくなってるだろうな…」 『ぅぅぅぅせ…せんせぇ(T■T)』 「あんたまだ居たの?で? なんでそんなカッコで……」 『うう当方は…当方は…お兄ちゃん受けを狙ってたんですけど…  ぐすっ…あのキャンディが効きすぎたのか……  いつもあんなに爽やかだったお兄ちゃんが…お兄ちゃんがぁ!  まるで野獣のように当方を……(T▼T)』 「(せっかくあそこまでやっときながら…)で…お兄ちゃんはどうした?」 『正気に戻ったら、爽やかに去っていきました…うわ〜〜んギャッフン』 「じゃあお前も、もう寮に戻れ…ばいば〜い」   ピシャン   「帰ろう……」   ピシャン 今日の診察はこれでおしまい
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